新たにお世話になる地方の港町の古民家ゲストハウスとフリアコの仕事

ここは岡山県の浜側の玉野市。以前は宇野港が栄えた港町。神戸に長いこと暮らしていたので港町は好きだな。長崎も良かった。人が出ていき、人を迎える街という感じで玄関みたいな活気のある雰囲気がある。が、この宇野港はちょっと趣きが違う。

造船不況にはじまり、バブル崩壊に次ぎ瀬戸大橋の完成による渡船需要の衰退、そして高松との直行便の終了と、失われた50年とまで言われるようになった玉野市および宇野港。ま、神戸も1975年にはコンテナ貨物取扱量が世界第3位だったのが現在は50位にも入らない凋落ぶりですが。

そんな玉野市も最近では香川県だが直島や豊島・犬島のアートや瀬戸内芸術祭のお陰で少しだけ華やいでいる。現在の玉野市はよく言っても「直島に跳ぶための踏み切り台」みたいな街。

今回フリアコでお世話になるのは、そんな街にある「machicado」という旧住宅をリノベしたゲストハウス。

ここの宿の特徴は、まず築100年以上の古民家を大改造しない程度のリノベーションで運営しているとこ。運営以前に洪水被害に遭い水回りはその時点で既に新しくなっているようだ。そして部屋割りごとに貸せば宿泊料金も高く取れてオペも楽なのに、わざわざドミトリーにして若いバックパッカーに安く提供している。それもオーナー自身が100カ国近く旅をしていた経歴からだろう。

宿について説明する前にオーナーに軽く触れてみたい。元バックパッカーだけにフットワーク軽そうで行動派の面も確かにあるが、実は本の虫でこのゲストハウスから徒歩1分のところに「ココカ古書店」という古本屋も営んでいる。その本屋に置けない本がゲストハウスの本棚にも高く収まっている。ガタイがデカく見ようによっては厳つく見える風貌とは裏腹に温厚で、その人柄に吸い寄せられてかココカ古書店に地元の若い人、特に移住者で自営されてる人が中心に集まってコーヒーやビールを飲みながら交流している。

この宿は家族経営で、京都出身のオーナーと大阪出身のキレイ好きのパートナー、そしてなかなかボクを覚えてくれなくて匂いを嗅いで思い出すとソッポを向く十兵衛(時々連れてこられる番犬)、全くなついてくれないカワイイ娘ちゃん。

宿は2階建てで、トイレが各回それぞれ1箇所づつ、シャワー室は1階に1箇所のみ。キッチンのシンクなどは割と広く5人がけテーブルもあり、コモンスペースは1テーブルに2人がけと更に畳にちゃぶ台といった感じ。普通の民家ですね。おじいちゃん家に帰ってきた感じだ。

宿の収容人数は最大で17人と少ない。ミックスドミトリー6名。女子ドミトリー6名。個室3名と個室2名だ。なのでチェックインや案内も最大で14回までだ(スタッフがドミで生活している関係で更に少ない)。前日からの連泊者がいると、その日の対応も減少する。今までのボクの経験だと最大で10組しか案内したことがない。

宿はすべてフリーアコモデーションで賄われている。ちなみに3月度は二人ともワーホリで来日していて20代オーストラリア人女子(以前から働いている言わば先輩)、20代フランス人女子(ボクと同時に働きはじめの言わば同僚)、とボクの3人。

業務内容は、最初の約2時間で清掃や洗濯で次の約2時間でゲスト来訪準備、残りはゲスト対応と終業といったタイムテーブル。全体としては清掃や洗濯、ベッドメイクと館内の案内と時々チェックインをこなす。ベッドメイクと言ってもシーツや枕カバーなどはセルフなので定位置にセットするのが仕事。チェックアウト時のシーツの除去もセルフなので、いわゆるシーツ剥がし作業はない。館内の案内も決まったことだけなので、英語のできないボクもカンペでなんとか最低限の案内はクリア。これらのタスクを一人が一日全てこなし、他の人は休みといったローテーションでだいたい週に3日働いて4日休みといったシフト。一日の拘束時間が朝10時からチェックイン終了の夜23時まで(23時以降も基本は宿内待機)からお昼休憩2時間を除くと実に13時間マイナス2時間で11時間拘束となる(夜は業務中に休憩をとらずに食事を済ませる)。ゲストの来訪を待ってる間、あるいは全てのチェックインや案内が終わるとほぼ自由時間となる。しかし終業作業も残ってるし、23時までシャワーもできないし23時以降も外出できるわけではないので、バイト(例えばワンオペのカフェやバーなどの待機時間)で言えば給与計算の範囲。ざっと月間130時間てところか。一日8時間労働にならすと16日間が一ヶ月の家賃と相殺ということになる。これはフリアコを希望する人各々の考え方しだいだ。

何よりゲスト層が、アートや建築が好きで直島や豊島に行く人がほとんどで、騒いだりデリカシーのない人が少ないところもこの宿の特徴の一つかもしれない。ここけっこう大事かもしれない。

と、ボクは上記の条件に納得して現在この宿でノホホンと滞在(沈没)しつつ、じわじわと街の人と知り合い街を知り楽しんでます。

現在フリアコ募集中ですので、よろしかったらおいでやす〜。

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海外からの旅人が多い直島や豊島に程近い宇野港でのんびり暮らす●宿のタイプゲストハウス●宿の特徴Youmustbethechangeyouwanttoseeintheworld.「世界に変化を望むのであれば、自らが変化と
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